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簡易的にTRAK 2.0の大きな特徴をいくつかピックアップしてみました。下の各項目をクリック(タップ)してください。
必要な巡航スピードが出るか、操作性が良いか、丈夫で安全性が高く信頼性が高いかなど、カヤックとしての基本性能が備わっているか否かは当然ですが非常に重要なことで、どれかが欠けたらできることにも大きな制約が生じてしまいます。
しかし、フォールディングカヤックは畳んで運搬することができ、収納に困らないという高い利便性がある反面、これらの何れかを妥協しているケースがあることも否めません。
TRAK 2.0は、使用されている素材も造りも頑丈で、スピードもFRPコンポジットのカヤックに引けをとりません。
「フォールディングカヤックとして」ではなく、シーカヤックとしての最高水準の性能・安全性・耐久性などを確保しています。
そして、パドリングが快適で乗って楽しいと感じられるか否かも大変重要なことです。
特にフォールディングカヤックは、操作性に関してはハードシェルのカヤックと比較すると劣ってしまうようなことも多いのですが、TRAK 2.0は水を直接感じやすく、カヤックとの一体感が感じられ、ダイレクトな操作感を味わえる、非常に操作性の高いカヤックです。
TRAK 2.0は畳むためにカヤックとしての性能や乗り味に全く妥協していないカヤックです。
詳しくは後述しますが、TRAK 2.0は他に類を見ない高い剛性を誇るフォールディングカヤックで、大抵のフォールディングカヤックに備わるエアスポンソン(ガンネル両側に備わるエアチャンバー)のないカヤックです。
そして、この高い剛性とエアスポンソンがないことが、スピードの速さと高い操作性を生み出す大変大きな要因となっています。
TRAK 2.0は畳むことのできる、所謂フォールディングカヤックですが、純粋にカヤックとしての性能が高く、カヤックをわかっている人が乗って楽しいと感じる高性能なスキンオンフレームカヤック(伝統的なカヤックのようにフレームのあるカヤック)です。
前の項目で「TRAK 2.0は畳むためにカヤックとしての性能や乗り味に全く妥協していないカヤックです。」と書きましたが、畳めることによる利点は多々あり、フォールディングカヤックでなければできないことも多々あります。
ワンウェイツーリング
畳むことのできないカヤックの場合、出艇地に戻るのが普通ですが、ワンウェイツーリング(出艇地にはパドリングで戻らず、着いたところでパドリングを終了するツーリング)は単純計算で同じ時間で倍の距離を進むことができ、退屈になってしまうことや風や流れの影響で辛くなってしまうことや危険になってしまうこともある復路のパドリングが不要になります。
しかし、畳むことのできないカヤックでワンウェイツーリングをする場合は車を2台用意するなどして回送することになります。
ところが、フォールディングカヤックなら着いたところで畳んでしまえばそこから鉄道やバスなどの公共交通機関を利用することも宅配便でカヤックを送ってしまうことができます。組み立て分解のしやすいTRAK 2.0は、この合理的なワンウェイツーリングを大変しやすいカヤックでもあります。
どこへ行っても乗り慣れた愛艇に乗れる
フォールディングカヤックは畳んで飛行機で運ぶことも宅配便で送ることもできるため、離島や海外などへも比較的容易に持って行くことが可能です。
畳むことのできないカヤックを離島などへ運ぶのは容易なことではなく(詳しくは書きませんが手間も時間も費用もかなり掛かります)、諦めざるを得ないケースもあり、遠隔地へ行く場合はカヤックをレンタルしなければならないことも多くなってしまいますが、フォールディングカヤックならレンタルの予約もレンタル費用も必要ありません。
しかし、それ以上に良いことはどこへ行っても乗り慣れた愛艇に乗れることで、これは本当に大きな魅力です。
車移動が必須ではない
畳むことのできない自分のカヤックをどこかへ運ぶ場合は基本的に車が必要で、地続きでも遠隔地へ行く場合は長距離長時間のドライブ必須となります。
しかし、フォールディングカヤックでの旅なら現地までの移動に公共の交通機関を利用できるため、「車で自走」が必須ではなくなります。
運転の労力をセーブでき、行く場所によっては移動時間を大幅にセーブすることができる(夜行バスなら寝ている時間を移動に使えます)のもフォールディングカヤックならではです。
「カヤックを畳む必要などない」と他の人から言われたことがありますが、私はこういった使い方を何度も経験し、かけがえの無い体験をしてきました。実際にフォールディングカヤックでなければできないことを体験をしていたらたらそんな発言など出ないであろうと思うのですが、少なくとも私にはフォールディングカヤックでなければできないカヤック旅こそが最高のカヤック体験となっています。
フォールディングカヤックでしかできないことをしたい人で、カヤックとしての性能に妥協したくない人にはTRAK 2.0は最高のカヤックです。
組み立て撤収とメンテナンスのしやすさはフォールディングカヤックの使い勝手に大きく左右する重要な要素です。
スキンオンフレームのフォールディングカヤックの組み立て方式はメーカーによって多種多様ですが、代表的な方式としては、フレームを完全に組み立ててから船体布の中に入れる方式と、コックピットより前のフレームとコックピットより後ろのフレームを各々外で組み立て、船体布の中でこの2つのセクションを繋ぐ方式があります。
前者はフレームを船体布内に入れる際に力を要し、フレームと船体布のセンターを合わせることにコツの要るカヤックもあります。そして、どうやってもフレームが船体布内に上手く収まらず難航することや船体布のジッパーがスムースに閉まらない場合などもあります。
後者の代表例にはFeathercraft(2017年を以て生産終了)があります。Feathercraftは前部セクションのフレームと後部セクションのフレームを繋ぐ中央のセクションのフレームを船体布の中で伸ばすことでテンションをかけ、その後にコックピット前後のリブ2枚を装着するのですが、この2つの作業でコツと少々力が必要です。
コツを得ていればそれほど力に頼ることもなくスムースに組み立てられるのですが、コツを得ていない人が組み立てると、組み立てが大変だと酷評されてしまうことさえある仕組みです。
また、前者も後者(Feathercraft)も組み立てに要する時間の個人差が大きく、練習しても早い人とそうでない人の差があまり縮まらないことも少なくありません。
TRAK 2.0の組み立て
TRAK 2.0は、基本的には後者のFeathercraftに近い方式なのですが、大きく違うところは中央のセクションのサイド(ガンネル)フレームとキールフレームが画期的な独自技術のHydraulic Jacks(ハイドロリックジャックス:油圧ジャッキ)となっていることです。
Hydraulic Jacksを伸ばして船体にテンションを加えるシステムなのですが、これを伸ばす際に必要なのは油圧ジャッキのレバーを動かす僅かな力だけなので、全くと言って良いほど力を必要としません。Feathercraftの組み立てで最大の難関とされている工程が、TRAK 2.0ではあっさりクリアされています。
Feathercraftの組み立てを経験している人はここで驚き、感動さえします。
この進化を例えるなら、急坂をママチャリで登るのと電動アシスト自転車で登るほどの差かそれ以上の差があります。
コックピット前後のリブも予め装着してから船体布内に挿入するため、テンションのかかった船体布の中でリブをはめるという少々コツと力の必要な作業もありません。
そして、高精度な製造技術により、船体布とフレームのセンターがずれてしまうことなどもなく、非常にスムースに組み立てることができます。
他にもフレームの色分けや前後の表示など、組み立てをしやすくする細かな工夫が随所に施されています。
そして、外観だけでなく、こういったパーツ類の細かいところまでデザインが野暮ったくなく洒落ているのもTRAK 2.0の大きな特徴です。そんなこと性能には関係ないとも思われそうですが、所有者の気持ちを高めることなので案外重要なのではないかと思います。
また、手順(全く難しくありません)さえ覚えてしまえば、組み立てに要する時間に個人差があまり生じないというのもTRAK 2.0の組み立ての特徴です。
私はこれまで様々な組み立て方式のカヤックに接する機会があり、特にFeathercraftの組み立てには精通していたため、これまでFeathercraftのKahunaかWisper辺りが最も組み立てが楽なカヤックと感じていました。
しかし、TRAK 2.0はそれを覆し、現在はTRAK 2.0の組立が最もスムースで簡単で楽だと感じています。
知る限りでは最も組立が簡単で楽なスキンオンフレームのフォールディングカヤックで、これほど組み立てが楽で尚且つ高性能なカヤックは存在しないと断言できます。
撤収・メンテンテナンスが楽な理由
TRAK 2.0の船体布には吸水してしまう生地が使われていません。そして、水分を拭き取りやすい素材であるため、使用後はタオルで拭えば概ね乾いてしまいます。
撤収時に船体布の干し時間待ちに長い時間を費やすこともなければ、濡れて重くなったままの船体布を持ち帰らなければならないこともありません。
TRAK 2.0は組み立てが楽なだけでなく、撤収も大変楽なカヤックです。
後部デッキが大きく開くため、船体内も乾かしやすく、内部の掃除やメンテナンスもしやすいのですが、TRAK 2.0の後部デッキの開口部には普通のジッパーではなく、独自のKeder Closhure(キダークロージャー)というシステムが採用されています。
Keder Closhureはもちろん密閉性も非常に高いのですが、もう一つ大変大きな利点があります。
海水で使用すると、普通のジッパーはどんなに真水でしっかり洗っていてもスライダーが固着してしまうことや腐蝕してしまうことがあります。
後部デッキを開閉できることによる利点は多いのですが、このジッパーがこのタイプのカヤックの最大ので弱点で、それを理由にFeathercraftは利便性を犠牲にしてもジッパーを使って後部デッキを開閉できるようにはしていませんでした。
しかし、Keder Closhureは固着や腐蝕の心配がありません。メンテナンスは滑りやすさを保つための潤滑剤をたまに塗るだけ(毎回塗る必要はありません)です。スライダーの固着や腐蝕の心配がないだけでなく、普通のジッパーより破損の心配も低い丈夫なシステムです。
Keder Closhureは、使い勝手、メンテナンスのしやすさ、組み立て分解のしやすさに大きく貢献する丈夫で大変信頼性の高いシステムです。
組み立て・撤収・メンテナンス性、どれをとってもTRAK 2.0は最高です。
フレーム
TRAK 2.0のフレームは7000シリーズの航空機グレードのアルミニウム合金のパイプと、軽くて頑丈なカーボンファイバーのリブとの組み合わせです。
素材も作りも頑丈なフレームです。
リブの枚数は4枚ですが、他の6枚リブのカヤックのフレームより高い剛性を誇ります。
船体布
TRAK 2.0の船体布は、ミルスペック(軍用規格)準拠の頑丈な3層ポリウレタン素材でできています。
これは他のどのフォールディングカヤックの船体布に使用されている生地よりしっかりとした質感の素材で、厚みがあり、張りがあります。
そして、組み立て撤収・メンテナンスの項目でも述べた通り、この素材は吸水しないため乾きやすく手入れが楽で、修理がしやすいという特徴も備えています。
剛性の高さが高性能の秘訣
このしっかりとした造りのフレームと厚みと張りのある船体布が合わさって、TRAK 2.0は他に類を見ない剛性の高さを誇るフォールディングカヤックに仕上がっています。
そして、この剛性の高さとエアスポンがないことこそが比類なき操作性の高さやスピードを生み出す大きな要因ともなっています。
Hydraulic Jacksは組み立てを容易にし、高い剛性にも貢献していますが、それだけではありません。
「可変可能なロッカー角度」の項目に記載した通り、Hydraulic Jacksはカヤックのロッカー角度(前後の反り)を調節可能にしています。
これは世界で唯一TRAK 2.0にのみ備わった機能です。
ロッカー角度を変えることによって同じカヤックが全く性質の異なるカヤックに変身し、海の長距離ツーリングからサーフィンや川下りまで用途の幅を大きく広げています。
通常1艇のカヤックではできないことをできるようにしてしまうのが、Hydraulic Jacksによるロッカー角度可変システムです。
Hydraulic Jacksは、カヤックに乗っている最中にも操作することができるため、状況に応じてカヤックの性質を変える(直進性を高める⇆回転性を高める)ことも可能です。
Gear Floatation Bag
TRAK 2.0にはGear Floatation Bagという浮力体兼荷物を収納するためのドライバッグが備わります(標準付属品)。
このバッグはTRAK 2.0の形とサイズに合わせて作られているため、このバッグを入れて空気を膨らませれば船体内への浸水を最小限に抑えることができ、十分な浮力も確保できるため、安全性を大きく高めています。
また、このバッグはドライバッグとしての機能も兼ねているため、荷物を濡らさずに積載でき、他にドライバッグを用意する必要もありません。
そして、このバッグがあるおかげでTRAK2.0には多くのフォールディングカヤックに備わっているエアスポンソン(ガンネル部分に備わるエアチャンバー)を省くことができています。
エアスポンソンは船体布に最終的な張りを与え、一時安定性を高め、最低限の浮力を確保する役割(船体布に張りを与えることが最も大きな役割ですが)がありますが、これがあることによって水とパドラーとの間にワンクッション入ってしまうため、ダイレクト感がなくなり、カヤックの操作性をスポイルしてしまうという弊害もあります。
もちろん、伝統的なスキンカヤックにもエアスポンソンなどというものは備わっていませんが、TRAK 2.0の操作性の高さは、エアスポンソンがないことも大きく影響しています。
しかし、「エアスポンソンがないことで安全性が低くなっていないか?」と疑問を持たれることがあります。
ところが、エアスポンソンがパンクしたり空気が抜けてしまったりすると船体布の張りが落ち、カヤックの操作性と安定性がガタ落ちしてしまい、まともにパドリングできなくってしまうようなことさえあります。そのリスクを考えると、むしろエアスポンソンはない(なくて済むように設計されている)方が安全と考えられます。
また、「Gear Floatation Bagに荷物を詰めてしまったら、十分な浮力が確保できないのでは?」といった疑問を持たれることもあります。
Gear Floatation Bagはカヤックのサイズや形状に合わせて作られていますので、隔壁のあるハードシェルカヤックの荷室に荷物を積むのと同じようなことになります。
液体や砂などでバッグの中を満たすのでもなければ普通に荷物を詰めても必ず空間はできますので、ハードシェルカヤックの荷室に荷物を満載した時と同様、最低限必要な浮力は確保できます。
言い換えれば、Gear Floatation Bagに荷物を詰めたら危険と言うのであれば、ハードシェルのカヤックの荷室に荷物を積載することも危険と言うのと同じことになります。
二重の安全性の確保
TRAK 2.0にはコックピット以外への浸水を防ぐシーソックも標準装備として備わっています。
シーソックは浸水をコックピット内だけでに留める隔壁のない(作れない)カヤックにとって大変重要な装備です。
シーソックを不快だと嫌う人もいますが、使い方が雑なのか使い方のコツを知らないだけの人の意見です。出艇する前に少し丁寧に整えておけば全く気になどなりません。必ず装着すべき装備です。
そして、TRAK 2.0のコーミングはハードコーミングです。やはりセミハードのコーミングより断然シーソックが外れにくいので安心です。
TRAK 2.0は、Gear Floatation Bagとシーソックとの組み合わせることで、二重に安全性を確保しています。
高価であることがTRAK 2.0の唯一の弱点とも言えそうですが、冷静に考えると全く高価ではありません。
- 日本の経済が何十年も停滞して世界の物価基準からかけ離れた状態になってしまっているだけで、世界基準で見れば現在この金額(日本での販売価格も北米と同じです)は普通。
- フォールディングカヤックとの比較対象ともなるカーボンFRPコンポジットの分割型カヤックもスプレースカート(TRAK 2.0には標準で付属)など必ず必要な装備を追加したり、必要なオプション類を追加したりすれば同水準の価格になる。
- 輸入品のカーボンFRPコンポジットカヤックには100万円超えのものもある。
- 高級な自転車はもっと高い。
- Feathercraftが現在も生産を続けていたとしたら、当時(最終が2017年)の為替レートと現在の為替レートとの差と物価の上昇を合わせて考えると、中堅の価格帯のFeathercraftでもTRAK 2.0より高価になっていた可能性が十分にある。
- 丈夫で長持ちし、部分的なパーツ交換等も可能なので長く使える。
- 1艇で違う性質のカヤックに変化させることができるため、用途や使用環境に合わせて複数のカヤックを購入するより安価。
- どこへでも持ち運ぶことのできるフォールディングカヤックであるため、どこへ行こうとカヤックをレンタルする必要がなく、レンタル費用を抑えられる。
- 車で自走が必須ではないので交通費も抑えられる。
などなど… 決して高くはない理由は色々思いつきます。
しかし、何よりも現物を見れば他のフォールディングカヤックとの差は歴然です。高価なパーツの使用とコストの掛かる造りなどを考慮し、相対的に考えると、この価格はむしろ安いとさえ思えます。
そして、繰り返しますが性能が違い、できることも違います。
穏やかな湖などでしか使わない(といって舐めるのは禁物です)のでればもっと安いカヤックでも良いのかもしれません。
しかし、フォールディンングカヤックをシーカヤッキングに使用しようというのでれば、性能もですが安全性の高さや耐久性の高さは最優先に考えるべきです。TRAK 2.0は性能・安全性・耐久性全てにおいて、現在最高峰のフォールディングカヤックであることは間違いないと思います。


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